「……まだ、

気持ちの整理がついていなくて…

すみません。」

まだはっきりと、

「はい。」とは言えなかった。


私自身、"歌わない"と言う決心が

自分にとって

重く大きなモノだったから、すぐに

首を縦に振ることが出来なかった。


「……ゆっくりで大丈夫よ、きっと。

あとその手紙…

奏乃ちゃんが持って行って。」


「……え、そんな…。」

鈴のお母さんにとって、

この手紙はとても大切なハズ。


持っていくなんて…。


「良いのよ。

だってそれは、奏乃ちゃんに向けられた

手紙なんだから。」


「……そんな…。」


「良いからっ!ね?」


「……………は、い。」