《~♪~♪》


「あ…。」

携帯が鳴った。


この着信音は、3年前から変わらない。

私と鈴の一緒に居たという証の1つ。


「……何だ、時鶴からか。」

内容は、至って普通のモノ。

特別課題が全く解けないとのこと。


……仕方ない。明日教えよう。

そう返信を打ったら、

私はまた夕食の準備。


夜、私は1人。

2人に戻ることも…3人に戻ることも

もう2度と無いのだろう。

孤独を感じながら生きていくのだろう。


『奏乃って言うの?素敵な名前!!』

手を差しのべて…時間を共にする相手も

きっと、もう一生現れない。


奇跡は…1度だから。

だから人は…ソレを奇跡と呼ぶのだ。