「………ん…。」

頭がボーッとする。


「あ、カナ。起きた?」

鈴…じゃ、ない。

葉月君だ。


「今さっき家に着いて、

悪いと思ったけど鍵開けた。

寝てたから。カナの部屋、どこ?」


「………2階…の、1番…奥…。」

さっきよりも幾分マシになった。


とゆうよりは、熱が上がったのか

さっきより頭がボーッとして、

気持ち悪いというより何も感じない。


《ミシッ…ミシッ…》

葉月君が私を抱えて2階に上がる。


さっきは恐怖心半端なかったのに、

今は熱のせいで気にならない。


「ここか?」

葉月君は、

私の部屋のドアの前で止まった。


私はゆっくりコクッと頷いた。


《ガチャ…》

私を抱えたまま、

葉月君は器用にドアを開けた。


「……ん、しょっと…。」

すぐにベッドに寝かせてくれた葉月君。


自分の部屋は、やっぱり落ち着く。


「……熱、上がってんな。」


「…………そー…?」

あ…何か凄く眠い。


私は目を閉じそうになる。

眠い…。


「寝てな。起きるまでいっから。」

葉月君はそう言うと

私の部屋の額と目の上に

優しく手を置いた。


なんて…心地良いんだろう。

でも…まだ、寝れない…。

だって…。


「………ふ…た…。」


「?蓋?」


「閉め…なきゃ…。ピアノ…。」

あぁやばい。ホントに眠い…。


「俺が閉めとくから、寝てろ。」

…………ホント?

じゃあ…寝ようかな…。


「……おやすみ、カナ。」

私は、目を閉じた。