「な…時鶴、迎えって…。」

時鶴の後ろにいる人を見た私は絶句。


その人はゆっくりと

私の寝ているベッドに

近づいて来て、言った。


「カナ、大丈夫か?」

………私を"カナ"と呼ぶのは、

以前1人だけ居た。


そして、今。今も…1人だけ居る。

2人は別人なのに、

私を"カナ"と呼ぶのだ。


「じゃあ、

奏乃のこと宜しくお願いします!!

天瀬君っ!」

時鶴が笑顔を浮かべて言う。


そう、私を迎えに来たのは

他高校の制服を着た葉月君だった。