「先生って、お綺麗ですねー。

モデルみたーい。見惚れますぅー。

ずっと見ていたいくらいー。

そんな先生が私みたいな平凡な顔なんて

見ても仕方ないですよー。」


「あら、ありがとー。先生嬉しいわぁ♪

ずっと見ていても良いわよぉ♪

私も奏乃ちゃんに見て欲しいわぁ♪」

て、手強い。

この先生…隠れボス並みの強さだわ。


「はい、隙有りー。」


「むごっ…。」

おい何だ、ここの保健医。

お構いなしに

生徒の口に体温計突っ込んだぞ?


「せんせー、奏乃どうぅー?」


「時鶴ちゃん待ちなさい。

まだ分かんないわ。」

おいコラ、時鶴。

呑気に話してないで助けろや。


………あぁくそ。気持ち悪い。

頭が全っ然回らないし。


《ピピピッ…》

うおΣ( ̄ロ ̄lll)。

この体温計意外に早いぞ。


「はい見せてー。」


「んがっ。」

突っ込んだ時も突然だったけど…

口から抜き取るときも突然…

そして荒い。


こんなに美人で優しそうな先生なのに

やることが若干豪快な気がする。


「時鶴ちゃん。」


「はい。」

え、あれ?


何で先生私じゃなくて時鶴を呼ぶの?

私の体温を計ったんだよね?


「奏乃ちゃんの鞄とか

何やら持ってきて。」


「了解でーす。」


「はい?」

ちょ、ちょちょちょ…。待て待て。


「先生、一体何を…

私さっき学校来たばっかですよ?」

こんなに早く帰ったら

担任に何て言われるか。


時鶴は、

私が先生に質問(?)している間に

「行ってきまーす。」と言う声が

聞こえた。


……時鶴のヤツ。

私まだ帰るなんて言ってないのに

鞄取りに言ったな。


「奏乃ちゃん。朝から気分悪いの?」

え、私の訴えを完璧に無視。

え、マジでか。


「………まぁ、はい。」

もう良いよ、めんどくさい。