『カナッ!』 『ね、カナ?』 『ちょっとカナ!?』 『カナ…っ…。頑張って…ね…?』 ―――止めてっ! 『私…頑張るから…カナ…も…。』 ―――行かないで…っ。 まるで、古いビデオのよう。 こんなに鮮明に、覚えているのに。 もう、思い出したくないのに。 目の前には、泣き叫ぶ私。 何も出来ずに、何もかも失った幼い私。 この瞬間に、すべてを見失った。