狡いと罵られようと、構わない。 重衡は輔子を抱きかかえると、屋敷の出入口へと向かった。 「きゃ!!重衡様、どちらに!?」 「帰りましょう」 無意識に形作られる美しい微笑み。 「帰って貴女と睦みたい…」 それから、重衡の浮気癖がなおったかというと… 「ううう~!!知盛様ぁ~!!聞いて下さい~!!」 (やれやれ…またか) そうでもないらしい…。