「そうか、重衡が娶るか。これは予想外じゃ。わしはてっきり、重衡はまだ独り身で遊び回りたいのかと思っていたが」

清盛が言葉の爆弾を転がした。

(え…?遊び回る?)

「父上、お言葉ですが私は…」

次に知盛が弟の言葉を遮って父親が転がした爆弾に火をつける。

「気をつけられよ。重衡は移りげな心の持ち主ゆえ、泣かされた女子(オナゴ)は数知れず」

「え?…え!?」

重衡の裏情報に輔子が目を丸くすると…。

「兄上!!余計なことを…!!」

「真実だろう?一門きっての女たらしが」


爆弾が爆発した。


「知盛兄上~!!!!」

座っていた重衡は勢いよく立ち上がった。

「今のお言葉、赦すまじ!!」

今にも切り掛かりそうな雰囲気に、輔子は慌てて重衡を制した。