この後、頼みに頼んで首を奈良の僧からもらい受けた彼女は、重衡の全てを火葬し、骨を高野山へ送った。 ――縁があったら後の世でかならず生まれ会いましょう (はい、重衡様) ――同じ蓮の上に、とお祈りなさい (はい、重衡様…) ――またつぎの世でおめにかかりましょう 「はい…重衡様…」 瞳を閉じて、夢を見る。 彼と二人、幸せな夢を…。