「前に言った時に、

頷いてたから、勝手に進めてる」

・・・

平然と答え過ぎよ!!

こんな大きな会社の社長と、

平社員の私が婚約なんて、

世間の目が痛すぎる・・・

・・・

「もう少し、慎重に考えた方が」

「いつも考えは慎重な方だ。

想いが実るまで、何年かかったと思ってる?」



「・・・それは」

口ごもる私に、

拓哉は満足そうに微笑んだ。

・・・

「悪い虫がつかないうちに、

こういう事は

早めにしておいた方がいいんだ」


「そんな虫、私に付くわけないでしょう?!」


「お前は自分の魅力を知らないから、

そんな事が言えるんだ」

「私に魅力な・・ん・・?!」