「頼むよ。

もうすぐ婚約発表をするつもりだから」


「ふ~ん、婚約発表ね・・・って?!

誰がそんなこと決めたの?」

危うく聞き流すところだった。

・・・

私は驚き、

拓哉に詰め寄った。

・・・

拓哉は一歩下がったが、

斎藤や神田がいるにもかかわらず、

私を抱き寄せた。

・・・

「ちょっと!」

私はジタバタともがいた。

・・・

拓哉は微笑み、

全く微動だにしない。

・・・くそ~、男に負けるなんて。

・・・

「オレに決まってるだろ?

楓の両親には承諾を得てるし、

うちに両親も賛成してくれてるしな」

「ちょっと、私の了解は?!」