でも、

拓哉は起きてしまったようで、

私をしっかり抱きしめて離さない。

・・・

「た、拓哉、離してください。

シャワーを浴びに行きたいんですけど」


・・・

拓哉の胸の上で、

抱きしめられたまま、

困ってしまった私。

・・・

拓哉はクスッと笑って、

私の髪を撫で上げた。

・・・

「もう少しこのままでいろよ。

会社には午後から行けばいいから、

慌てることはない」


「でも・・・

女は準備に時間がかかるんです」


「服はここのホテルに、

頼んであるし、

楓は化粧しなくても、

十分綺麗だ。すっぴんで出社しても、

問題ない」