「イヤです!

三条院は何をしでかすかわからない。

今は龍堂がいないんです。

三条院も、自分の身は、

自分で守らなといけない。

そこから動かないでください」

・・・

手は震えていても、

口調は冷静だった。

・・・

オレは、楓を抱き上げたまま、

斎藤の方へ、

歩みを進めた。






・・・・






「楓は誰にも渡さない」

その声がしたと同時に、

修也が走り出していた。

・・・


手にはナイフを持って。