車を走らせた運転手さんは、

仲良く歌を歌ってる、

私と望を見て、

「こんなに楽しそうな

望様を見たのは、初めてでございます」


そう言った。

・・・

望は毎日、

母親もおらず、

父親が仕事から帰ってくるのを、

いつも独りで待ってるんだよね。

・・・

いくらお手伝いさんがたくさんいても、

楽しくないよね・・・

・・・

自分の今置かれてる立場など、

すっかり忘れ、

私は望の母親代理を、

無意識のうちに、

一生懸命していた。

・・・

私、どうかしてる・・・