周りにいた友達は、

そんな光景に呆気にとられ、

成す術もなく、

私を乗せた車は、

発進してしまった。

・・・

これじゃあ、誘拐じゃないか?!

私は運転席のイケメン君を睨んだ。


「アンタ!何様?」

「アンタではありません。

私の名前は、斎藤淳(さいとうじゅん)

社長の秘書をしてる者です」

「・・・」


「これから、楓様の教育係ですから、

よろしくお願いします」

「何なのよそれ?!」


「詳しい事は、

社長にお聞き下さい」


「・・・」

ムスッとして、

黙り込んだ私に満足したのか、

斎藤は、ニッコリ微笑んだ。