景時の心の中で、安堵と不安がせめぎあう。


「適当な理由を持ち出して他者を貶めようとする愚か者共は、いつの時代にもおるものじゃ。
そなたが気に病む必要はない。」


「でも…」


「…
そなたは優しいのじゃな。」


うさぎが振り返った。

いつもなら景時を安心させるはずのその行為は、今回に限り、全くの逆効果だった。