驚きに目を丸くしていた小鞠の頬が、たちまち朱に染まる。

なぜか、景時まで…


「ゆけ。」


遠ざかる小さな背中が体育館の角を曲がって消えるまで、景時と小鞠の金縛りは解けなかった。