確かに小鞠の後ろにいたはずなのに…

忽然と女生徒たちの間に現れたうさぎが、小鞠をぶった女の背後でその手を片手で掴み、捻り上げていた。


「?!
アンタ一体… ヒっ?!」


うさぎが一瞥しただけで、残る二人が恐怖に目を見開き硬直した。

まるで死人のような顔色だ。


「小鞠に詫びるがよい。」


もう涼しげな口調ではない。
静かだが、血も凍るような怒りを滲ませた低い声。


「っっな…んでっ
ギャアァァァ!!」


さらに捩られた腕と肩が悲鳴を上げて軋み、立っていられず、崩れるように地に伏せる。