乾いた音が秋空に響いて、頬を押さえて蹲ったのは小鞠だった。 「な… ナニ? ケナゲ? 友情ってか?」 声も上げず飛び出しうさぎを庇った小鞠を、手を上げた女生徒が動揺を隠すように嘲笑した。 空気の密度が変わる。 重く。 重く…。 周囲の木々が騷めきだし、鳥が一斉に飛び立った。 「なっっ! ぅぁああっっ」