グランドでだらだらサッカーをしていた景時の動きがピタリと止まった。

そのすぐ脇を、ボールがすり抜ける。


「景時ィ、ボール取って来いよー。
…って、ん?」


大気が孕む緊張感に、薫も気づいた。


「コレって…」


「うさぎ!」


景時は授業を放棄して走り出した。