「…うーわ、スゲぇモン見たわ。」


ギャーギャーうさぎ争奪戦を繰り広げる二人を眺めていた大吾が、隣にいる薫にしか聞こえないような声で呟いた。


「ん? うさぎサマか?」


「や、ソレもだケド…
高杉って、アレが素?
アイツっていつも楽しそーに笑って見せてるケド、根っこ冷めてるっつーか…なんにでも本気にならないイメージだったから…
必死こいてる高杉、超レア。
初めて見たわ。」


「‥‥‥‥‥‥‥‥
実は俺も、あんな景時初めてなんだわ。」


薫は傷のある顔をクシャクシャにして、白い歯を見せて笑った。