鬼神うさぎを廊下に待たせて教室の扉を開けると、いつも通りの喧騒が佐々木を迎えた。


「チャイムはとっくに鳴ったぞー。
さっさと席に着けー。」


「うぃーす。」


「タケちゃんセンセー、おっはよー。」


それなりにガタガタ席に着くが、教師を敬う心もなにも、あったもんじゃない。

いつもならうんざりするのだが、今日は違う。

こいつらがあの『女帝』を見てどんな顔をするのか、楽しみだ。

思わず口元が緩み、ふと気づく。


(あー…
だから理事長も、いつもに増してニヤニヤしてやがったのか…)


悔しい気持ちは、生徒たちで発散させてもらうとするか。