喉元に結われたリボン。
膝丈のスカート。

学校案内のパンフレットに写る生徒のように、小柄な体を規定通り包んだ制服。

時代がかった尊大な口調だが、激昂するところなど想像もできない、低めの落ち着いた声。

自分を大きく見せるために殊更派手に装い、大声で汚い言葉を発して相手を威嚇するようなバカ共とは明らかに違うのに…


(なんなんだ?
この威圧感…)


従うことが至極当然と思える、声の響き。

傅くことが至極当然と思える、眼光。

まるで生まれながらの支配者のような風格と威厳が、その身に備わっている。

秋時の思い通りになるようで腹立たしいが、この女生徒が『別格』であることは認めざるを得なかった。