なのに理事長が。

あの、いつもニヤけてるだけなのに、なぜか生徒たちに人気がある理事長・高杉秋時(タカスギアキトキ)が。


「まぁまぁ。
一度会えば、君の気も変わるよ。」


などと、ニヤつきながら肩を叩きやがった。

さーわーるーなー!!

元々佐々木は、秋時が好きではない。
むしろ、嫌いだ。

坊主だかなんだか知らないが、生徒たちに甘すぎる。

特に、不良共に。

遅刻も欠席も、成績次第で無罪放免。
校内の揉め事には処分が下るが、校外であれば、どう見ても喧嘩沙汰の傷を負っていても、証拠不十分で指導もしない。

その結果不良共はつけあがり、服装の乱れどころか、染髪・派手な化粧・ピアス・タトゥーとなんでもありの状態だ。

なのに、校長を筆頭に慈愛学園の母体である慈龍寺関係の坊主教師たちは、こぞって秋時に追従している。