「来い。」


「え…」


「囲炉裏はないようじゃな。
竈はあるのか?
きっと食材なども、妾が暮らしていた頃とは違うのだろう。
教えてくれ。
暫く厄介になるのじゃ。
炊事くらいは妾が面倒を見てやろう。」


(上からすぎるし///)


なのに、嬉しすぎる。
てか、嬉しすぎて死ねる。

耳まで赤くなった景時を、隣で薫がニヤニヤしながら見ているが、それすら許せるほど、嬉しすぎる。

うさぎが初めて、景時と共にある未来を口にした。

そしてその手を差し伸べて、景時を呼んでいる。


(『しばらく』なんかで、満足するワケねぇっての。)


日に焼けた大きな手が、白く華奢な手に重なった。

景時はもう片方の手で髪を掻き上げながら、唇の端を歪めるように笑い、上目遣いでうさぎを見た。