小鞠は思わず吹き出した。


「アハハ。
多分、みんな知ってるよ。
なんか… 安心した。
元気そうで。」


「景時もそなたも、心配性すぎる。」


うさぎは拗ねたように紅い唇を尖らせた。
よほど外に出たかったらしい。

黒い瞳、黒い髪。
今は人として隣に立つうさぎを見つめながら、小鞠は深呼吸した。


(よし、言う。)


「う…うううさぎちゃん?!」


「…そなた… 大丈夫か?」


緊張のあまり、吃った上に声まで裏返った。

うさぎが怪訝な顔をしているが、今日の…いや、これからの小鞠はこんなコトでは挫けない!


「ああありがとう。
助けてくれ」


「勘違いするでない。」


真っ赤になって紡いだ小鞠の言葉を、うさぎが鋭く遮った。