うさぎが学園に顔を出した日の昼休み、彼女は小鞠に屋上に呼び出された。

いつもは傍を離れようとしない景時がなぜか今日は隣にいないが、うさぎはさして気にすることなく昇り慣れた階段の先にある扉を開けた。


「小鞠。」


「うさぎちゃん。
もうココ、寒いねー?」


風に乱れる髪を押さえながら小鞠が振り返った。

その言葉に返事を返すことなくうさぎは小鞠に歩み寄り、並んで柵に手をかけた。


「もう良いのか?」


「…うさぎちゃんこそ。
私、高杉くんに全部聞いたよ?
なかなか学校来ないから、心配してたの。」


「すまぬな。
『げぇむ』なるものをしておったのじゃ。
妾が茸好きの髭親父を操り、囚われの姫を救いにゆくのじゃ。
これが、亀の甲羅が転がってきたり地中に潜ったりと、なかなか難儀でな。
知っておるか?」


うさぎが言うと随分重々しく聞こえるが、それはまさしく…