死地より帰還した薫は、嬉しそうに、何度も痛いほど景時の肩を叩いた。
それからうさぎの手を両手で握りしめ、千切れんばかりにブンブン振りながら、歓迎の言葉を繰り返した。


「『うさぎ』?
まじで?」


「景時が名付けたのじゃが…
やはり、妾には似合わぬか?」


「!///
いいえ、誰よりもお似合いデス!!」


首を傾げるうさぎに、景時の隣に座り込んだ薫が力強く親指を突き出した。

例によってうさぎはソファー、景時はラグの上。
今もとろけんばかりの表情で、うさぎを見つめている。

薫は、横でアホ面を晒す景時にチラリと目をやった。


(確かめねぇと…)