「小鞠。」


「っ!!
ダメ!! ギちゃダメェェ!!
うさギちゃんを食べたグなイィィ…」


足を踏み出そうとしたうさぎを、悲鳴を上げた小鞠が両手を突き出して制した。

小鞠を興奮させないように、うさぎがピタリと動きを止める。


「…うさギちゃん…
見デェェェ?」


小鞠は手首を返し、少し距離を保ったまま、しかし逃げ出すことなくその場に佇むうさぎに、鉤爪が目立つ手の甲を掲げた。


「私…
ゴんなになっちゃっダァァ…
強くなりダガった、うさギィちゃんみたいになりダかったダゲェなのにィィ…
ドうジデェェ?
私が弱いから?
泣き虫ダガらァァァ?
ダガら、ゴんなに醜グ…」