泥のように濁った色が、本来の肌を日に日に侵食していく。
節は膨れ上がり、掌も男の人よりも大きく厚くなってしまった。
急激に伸びた爪は硬く鋭く、爪切りなど歯が立たない。

手だけではない。

腕も足もアスリートでもここまでは鍛え上げられないと思うほど筋肉が発達し、血管のような筋が時折ビクビクと痙攣する。

背には固い瘤が盛り上がり、もう服を着ることすらままならない。

恐ろしくて鏡は見られないが、涙が流れる頬に触れただけでも、かなりの変形が指先に伝わる。

変わり果てた姿を見せたくなくて、部屋から出なくなった。
両親もさぞ訝しみ、心配しているだろう。

自分の意思とは関係なく気づけば夜の街を徘徊していることも、いずれバレてしまう。