「ああも闇に飲まれていては、もう鬼寄せは解けぬ。
だが小鞠の魂は、まだ闇と溶け合ったわけではない。
先程言ったな?
鬼神の闇は他の闇を寄せつけぬと。
妾が小鞠の魂と溶け合おう。
さすれば今集っておる闇は小鞠の魂を手離し、周りに群がるだけとなる。
そこを斬れ。
遠慮はいらぬ。
小鞠の魂は妾が守り抜く。」


「アリエマセン。
そんな皮だけ剥くみたいに、上手に浄化できねぇから。」


「違う、景時。
妾ごと滅する気で、思い切りやるのじゃ。
闇の欠片を残してしまっては、いずれまた闇を寄せる。」


「もっとアリエマセン。
本気でうさぎを斬れるわけないっショ?!」


少しずつ声のトーンが上がっていく。