初めて逢った夜を彷彿とさせるシチュエーションだが、感傷に浸っている暇はない。


「違う、うさぎ。
コレだ。
憧れの女の子と威力倍増のおまじない。」


景時はブルゾンを開き、内ポケットから頭を覗かせる薄い冊子をうさぎに見せた。

うさぎは目を大きく見開いた後、片手で口元を押さえ、眉根を寄せて睫毛を伏せた。


「…
小鞠ならば妾の髪も…
そうか…
自ら鬼を寄せたというのか…」


「…」