「景時!」


メットでペシャンコになった赤い髪を掻き上げながら、秋時を捜しに本堂に繋がる細い道を歩いていると、捜し求める張本人が小走りに駆け寄ってきた。


「あ、ジジィ。
ちょっとコレ…
って、なんかあった?」


ブルゾンの内ポケットから例の本を取り出そうとした景時は、秋時の顔を見てその手を止めた。


「オニっぽいのが出た。
行けるか?」


本から手を離し、代わりにバジュラを確認した景時は、オニ狩りの顔になって頷いた。


「行ける。
オニなの?
オニじゃねぇの?」