景時はキョトンと間抜けな顔を晒したまま、うさぎに夢中で薫をキレイサッパリ忘れていたことを思い出した。


「薫、まじゴメン。
あのさ、今…」


「いいから。ナニも言うな。」


苦悶する景時の姿が、薫の中に色々と勘違いを生んだらしい。

薫は梵字のタトゥーが彫られたゴツい腕を景時の肩に回して抱き寄せ、キモチ悪いくらい優しい声で言った。


「泣けよ。
俺の胸を貸してやる。」


「ぅええ?
ちょ、待っ…」


いやいや。
気持ちは嬉しいケド、そんな逞しい胸はイヤだ。

いやいやいや。
そうじゃなくて、とりあえず早急に薫の誤解を解かなくちゃ…