徐々に部屋を占拠する眩しい陽の光が、最期の刻のカウントダウンを始める。

受け入れよう。

たとえ、この心が破壊されようとも。
この身が塵になろうとも。

受け止めよう。

死すら乗り越え、全てを…

青ざめながらも悲壮な覚悟を胸に秘め、毅然として顔を上げた景時を、ハゲマッチョが大きな体を屈めて心配そうに覗きこんでいた。


「…あれ? 薫? チャイム…」


「だぁから、鍵くらいかけとけって。」


お馴染みの会話だが、小山薫(コヤマカオル)の表情は、景時同様悲壮感を漂わせていた。


「あれっきり連絡ねぇし、様子を見に来たンだよ。
やっぱ…逃げられた?
それとも、完っ璧にフラレたか?」


「へ?」