「「じゃ、間違いねぇわ。」」
「俺もそう思う。
追おうとしたが、逃げられたらしい。
オヤジも、もう年だしな。」
神妙な顔で全面肯定に転じた景時と薫に、秋時も同調した。
「でも…
どーすりゃそんな中途半端なコトになンの?」
あ。
ココでも中途半端だ。
流行ってンの?
景時はまた首を捻った。
濃い『闇』を抱えた魂が周囲の『闇』を引き寄せ融合し、人鬼と成り得る。
人間は、思考が単純で意志が薄弱な動物とは違うのだ。
本人にこれっぽっちもその気がないまま、宿主になってしまうことなどあるのだろうか?
「俺にもわからん。
だから、うさちゃんにも来てもらった。」
その名を呼ぶ時、ニヤリとしながら視線を寄越した秋時に、景時はベーっと舌を出した。



