次の授業ダルいから屋上でサボろ…


そう思って私は屋上へ向かった。


屋上には誰かが眠ってる。


「……………ッ!」

柄澤くん!?


夢…じゃないよね?


くりんとした長いまつげ、整った顔。

眠ってる顔は女の子みたいな可愛い顔。

テレビや雑誌などでみていた有名人が、
私の目の前で眠ってる。


たぶん、私は10分ぐらい見つめていただろう。


「……ん…ッ!?」

柄澤くんが目を覚ました。

私にびっくりして後ろへすばやく逃げた。

「なにやってんの?」

不機嫌そうにいう柄澤くん。

怒ってるよね…?


「ご、ごめんなさい…」


「ホントありえねぇ…キモイ…」


キモイ…頭の中でリピートされる。

あたし…キモイ…?

「そ、それはないんじゃないかな?…」

「お前が悪いんだろ」

確かに、私が悪いけど…


「いつもの柄澤くんじゃない…」

「俺のなにを知ってるわけ?」

「いつもニコニコしてて、可愛らしいじゃん!柄澤くんは…」

「あんなの、うその笑顔に決まってんじゃん…演じてるだけだから」

嘘でしょ!?ショック…

「ショックでしょ?でも、これが本当の柄澤佑だから」

冷めたような顔。でもどこか寂しそうで…

私は、ほっとけなかった。