「柄沢ー!」

直人が俺の方へ走ってきた。


「今日って、里菜ちゃんの命日だよな?」

「うん。」


「あの子連れて行ったら?」

「あの…こ?」

「沙耶ちゃんだよ!」

「なんで!」

「だって、似てるじゃん」

「直人も思ったんだ…」

「うん。」


でも、それがなんでアイツを連れて行く理由になるのかがわからねぇ。


「柄沢さ、お前、沙耶ちゃんのこと好きだろ!」


「は?んなわけ!」

「お前、自分の気持ちに嘘つく気か?」


「………っ!」

「自分の気持ちに嘘つくな!」

「直人…うん。そうだね」