「今すぐには無理だけど、俺、頑張って、元の自分に戻る努力、してみる…」

「うん…」


柄沢くんは本当はお姉さん思いの優しい人なんだね。

「協力…してくれよな?」

恥ずかしながらも、はにかんでそう言った柄沢くんは、さっきまでの顔とだいぶ違っていた。

それって、演技じゃないよね…?

柄沢くんは、私の言葉で勇気をだしてくれた。

私は柄沢くんに幸せになってほしい。

だから、いくらでも、力を貸すよ。



柄沢くんは、本当は、変わりたかったんじゃなかったのかな?

でも、自分ではなにもできない。
本当は、誰かにわかってほしかったんじゃないかな?

私にはそう思えた。