「お待たせー!」

「お、おぅ…」
恥ずかしそうにうつむく柄沢くん。
さすがアイドル。
深くかぶった帽子に、いつもはかけてない黒ぶちメガネ。

私服もオシャレで可愛い。

つい目が離せない。


「どこ行くの?」


「えっ…」

「もちろん決めてるよな?」
低い声でそういう柄沢くん。

「うーん…」
私は苦笑いしながらうつむいた。

「ほんと計画性ないよな…」
呆れながらそういう柄沢くん。

「ごめん……」


「じゃあ、映画でも見に行くか」

「えっ…うん!」

意外、そんなとこ行かないと思ってた。

「どれ見る?」

「コメディー系は?」
と言う柄沢くん。
でも、いい作戦を思いついた。