そんな中。

「涛波君、御雷 涛波君はいますか」

白髪、盲目、びっくりするほどいい笑顔。

我らが女帝、生徒会長が歩いてくる。

「ん?」

食事の手を止めて、顔を上げる涛波。

「御雷 涛波は俺ですけど」

「ああ、貴方がそうですか」

しげしげと涛波の顔を見る生徒会長。

いや、見えてはいないのだが。

「どうですか?イリアさん」

「はい」

傍らに立っていたネコミミメイドが、恭しく告げる。

「顔立ちといい声といい、発明馬鹿や吐血博士とよく似ています。間違いはないかと」