おにぎり、おかず、デザートと三段重ねの行楽弁当が完成する頃には、日も暮れ始めていた。

小夜、リディル、レッド、帳の四人が夕城邸に向かうと。

「おー、皆さんも来てたんですね」

涛波がやってきた。

彼の背中に隠れているのは、二つに結んでいる少しウェーブのかかった髪を不安そうに揺らす女の子。

『咲耶さんも来てたんですね』

ニッコリ微笑む小夜に。

「ひ、一人では…怖くて来れなかったもので…涛波さんに一緒にいてもらいました…」

咲耶姫涙目。