天神学園高等部の奇怪な面々35

夕城邸は敷地が広い。

きっと紅葉も植えてあるだろう。

この時期には赤く色づき始め、さぞや美しいに違いない。

『紅葉を見ながらお月見なんていいかもしれないね。帳さんもお饅頭持ってくるって言ってたよ?』

そこまで告げて一呼吸置きつつ。

『り、龍太郎君も一緒に…どうかな…?』

上目遣いにお誘いをかける小夜。

「「……」」

完璧超人と拓ちゃんも組手の手を止め、思わずこの成り行きを見守る。