人間、魔物、悪魔、死神…。

それらの種族が酌み交わし、談笑しつつ桜や紅葉を愛でる。

確かに滑稽な光景だ。

<あそこには龍までいる始末だ…随分とファンタジーだ事で…>

溜息をつく魔女。

言われたレッドの視線の先には、小夜とポツリポツリと会話を交わす大柄な青年の姿があった。

タイマントーナメントで見せた猛々しい姿は形を潜め、今はクラスメイトや教師達に小突かれつつも、笑みを湛えている。