それから、僕は毎日病院に通った。
けど、日を追うごとにハルは寝る時間が多くなっていた。
最初の頃は、ハルと会話を交わすこともできたけど、
今じゃほとんど寝ていて、もうどれくらいハルと話していないか分からない。
「ごめんね、今日も寝てるのね。」
ハルの病室にいると、後ろから声がして。
振り向くと、お姉さんがいた。
お姉さんは、僕を病室から連れ出し、最上階の展望レストランで向かい合う。
「今日ね、担当の先生から話があったの。」
「話…?」
「このまま、治療を続けるか、
最低限の治療だけにして死を待つか」
ドクッと心臓が跳ねた。
「今のまま、治療を続けたところで、
病気が完治するワケじゃない。
ただ、死期を伸ばすだけ。
治療もね、楽じゃないの。
体力がだいぶ落ちてきてるあの子にとっては、すごく辛いこと。
だからね、治療をやめて、
痛み止めとかでハルの辛さを取り除いて、死を静かに待つ。
どちらがいいかご相談ください、って…」
お姉さんは俯いて、手を顔で覆った。
僕は、何も言えず、
ただ、涙をこらえた。


