何度か電車を乗り換え

坂道を登った先にあったのは、一軒の教会。

「ここは?」

「燐、教会・・・苦手?」

「いや、別に。」

そっか、ヴァンパイア=十字架が苦手、と思ってるのかな?

麻子は「良かった」といって教会の門をくぐり

建物の中では無く、脇の道を入って奥に進んでいく。


「あら。もしかして、あーちゃん?」

「あ・・・シスター」

懐かしそうに笑みを浮かべながら、立つ年配の女性。

その人に駆け寄る麻子。