「蓮君・・・どういう事だ。」

蓮と澪を交互に見ながら、戸惑う小父さん。

「幼い頃から澪が好きだった。でも、燐と婚約と言う話が出て・・・
 俺は月護の次期当主だから我が儘は言えないと、抑えてきました。でも、
 やっぱり俺、澪がどうしようもなく好きなんです。
 燐に話したら、こんな茶番を考えてしまって・・・申し訳ありません。」

深くお辞儀をする蓮。

それに次いで、澪も蓮の隣に行きお辞儀をした。



「申し訳ついでに、澪と婚約させてもらえませんか?」

「お前は、それでいいのか?澪。」

蓮の言葉に、小父さんは澪を見た。

「はい。蓮の傍に居られるのなら。」

「そうか・・・わかった、好きにしなさい。燐君、すまなかったな殴ったりして。」

そう言って、部屋を出て行った。



「蓮・・・お前・・・。」

俺の言葉に返事をせず、フッと笑って手を差し伸べてくれた。

「利用させてもらったぞ。」

立ち上がる瞬間、澪には聞こえない様に耳元で囁いた蓮。

にゃろ~。でも、いっか。

蓮も澪も、幸せそうだし。


あ~ぁ、俺も麻子に逢いたい。