リップ音を残して、唇を離すと

麻子が潤んだ瞳で俺を見る。

「麻子、かわいい。」

クスッと笑って、今度は耳たぶを口に含む。


徐々に唇を首筋に降ろし、さっき俺が傷を付けた二つの穴へ。

それを舌で舐める。

「・・・ぁんっ・・燐。」

かわいい声で、俺の名を呼ぶ。


俺の唇で舌で感じてくれるのが嬉しくて

また、麻子の唇にキスを落とす。

深く、深く。息をするのも忘れるくらいに―――――




『―――燐っ――――』

一瞬、懐かしい顔が浮かんだ。

それは、優でもなく、蓮でもなく。


―――澪(みお)――――

俺の、許婚。