その後の事は、よく覚えていない。

気が付いたら私は、病院に帰って来ていた。

そして、雪兎君もいつの間にか燐君が連れて来てくれたみたい。


何が、どうなってるの?


優月ちゃんは、何者?

燐君も事情を知ってるみたい。


燐君――――

「泣いて良いよ。俺、見てないから。」

ギュッと抱きしめてくれた、温かい腕。


うううん。

何考えてるの、私。

一回りも年下の男の子に、あり得ないわ。


しっかりしなさい、麻子。

自分の頬を、パシッと両手で叩く。