話し声、全部が聞こえた訳じゃないけど

最初の方だけは聞きとる事が出来た。


「なんで、なんで目を離したの!!」

「ゴメン。麻子さんと話してて…気付くのが遅れた。」


叩かれた頬を手で押さえながら、仔犬の様にシュンと肩を落としたのが

遠目からでも分かる。


「雪兎に何かあったら、どうするつもりだったの?」


優月ちゃん、凄く怒ってるみたい。

まるで、雪兎君を巻き込みたくなかったみたい。


優月ちゃんは、悪い死神じゃ・・・ない?